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執筆者の写真SWEET BITTER HARAJUKU

5.6東京ドーム「ユーリ阿久井vs桑原拓 2」~針の穴に糸をとおすボクシング〜


皆様、こんにちは。SWEET BITTER STUDIOマネージャーです。


昨日はうちのジムにも何度も足を運んでくれて、セミナーをしてくださっている、東洋太平洋チャンピオンの桑原拓選手の応援に行ってまいりました。WBA世界チャンピオンのユーリ阿久井選手への2度目のチャレンジです。


結果は残念なことに負けてしまいましたが、12Rフルで戦い抜いた桑原選手と、桑原選手に敬意と友情をもって防衛をしたユーリ選手に心から拍手、感動と感謝の気持ちでいっぱいです。



○なぜ桑原ボクシングは魅力的なのか

試合後にはボクシングファンはもとより、ボクシングをそれまで見たことがなかった人たちの感動のコメントがSNS上でみられました。


ユーリ選手の強さをたたえる言葉はもちろん、「桑原選手にすごく感動した」「いいボクサーで、これからも応援したくなった」そういう言葉に出会うと、ファンとしてとても嬉しくなりました。


自分なりに今回の試合の見どころは、桑原選手の「針の穴に糸をとおすボクシング」にありました。


前回、東洋タイトルマッチの防衛戦では、匕首、短刀のような「居合」「抜刀」のようなボディショットで相手を悶絶KOした桑原選手。


ここ最近の彼のボクシングはKOを量産して、しかも相手の見えない角度から「寸」で入ってくるような、高い芸域を見せてくれていましたが、

その彼の攻撃の本質は、小さな針の穴に「糸」をとおすようなものです。


たとえばユーリチャンピオンは、鉄製の鎧兜に覆われ、鉄製の分厚い盾と強く機敏な剣をパーフェクトに操る「装甲兵」。そのようなイメージです。


しかし桑原選手は、一瞬の時空の間に"角度"を見つけて、ワイヤーのような線器にくくられた刃を曲線を描いて滑り込ませ、その甲冑の狭間をつく。

瞬間に剛直化して刺して素早く引く。

そうした暗器のような怖さをもつのが魅力です。

しかも踊りながら舞いながら仕留める「華」がある。



○チャンピオンの言葉の裏側にあるもの

今回ユーリチャンピオンは試合後のインタビューで「もっとベルトを獲りに来て欲しかった」とコメントしていましたが、彼の致命的な間合いに入ることはせずにフットワークを駆使し続けた桑原選手へのフラストレーションでもあったと思います。


その間合いに入っては、桑原選手の戦いはできなくなります。


それを最後まで十分に警戒して、対処しながら、ユーリチャンピオンも常にプレッシャーをかけ続けたわけです。


桑原選手は、中盤以降に足が止まりかけてしまった時も、よく最後まで足をつかって、鎧に隙間が生じるのを探し続けたし、こじ開けにも何度も行ったと思います。自分のボクシングに徹し続けました。


桑原選手は桑原選手のボクシングを全うしてくれた。


それが桑原ボクシングファンの私としては最高のシーンでした。


身を削られつつも、最後まで"その瞬間"を狙っていました。


死闘とよぶにふさわしい、本当にすごい戦いでした。



○最後はドラマ

ユーリ選手と桑原選手のふたりの抱擁に感動したファンも多いと思います。

二人の同学年のファイターが青年期から出会い、大人になってプロになってこうしたドラマを繰り広げる。


拳を交えた者同士でしか語れない分かり合えない崇高なものがある。


それを見せてくれたことに、心から感謝です。


ボクシングって素晴らしい。


なんでこんなに残酷で、それでいて美しいのでしょうか。


アマチュアの自分達も、もっともっと頑張らなければ、そう思わせてくれた生涯の記憶に残る戦いでした。



またいつか桑原選手にうちのジムでセミナーをしていただきたいと思っています。


今はゆっくり休んでほしいです。



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